やたらと長い履歴 その4
ほとんどメインの仕事が広告代理店と印刷会社からの仕事だから所謂下請け会社なんで一気に仕事がなくなった。
少しだが貯め込んでたお金があっと言うまに消え存続させるため銀行にも借りた。一気に大借金になりスタッフも一人消え、また辞めていき、事務所に自分一人になった。
その時の事務所は蛍光管が60本あるフロアーに本当に一人になった。
逃げるように小さな事務所に夜逃げ同然に引っ越した。
蛍光管6本の事務所だった。
元いた事務所の荷物はリサイクルに売った。
強化ガラスでできたガラスの机、
白いレザーのソファー、たくさんの机、パーテーション
お飾りのデザイナーチェアー、ロッカー等々全部で
売却価格3万円だった。
借金を返すため必死だったが、その頃から家庭もギクシャク。
そして離婚。
身も心もボロボロになった。
それでも食っていくためには仕事を続けるしかなかった。
営業は相変わらず苦手だったが、いろんなビジネス会場に足を運び名刺を配った。
昼夜問わず営業に出向いた。
仕事も徐々に増え続け、残った借金もそろそろ目処が付く。
グラフィックデザインはクライアントによって担当者さんがいて、課長さん、部長さん、社長さんの最終的な印鑑(GOサイン)がいる。何より消費者様がいて、見てわかる、買っていただくまでがお仕事。
好きな絵なんて勝手に描けない。
そしてコロナが来た。
イベントがなくなりチラシもチケットも
パンフレットもなくなり、夜の街もネオンが消えた。
それでも前を向いて出来ることから始めていく。
少しでも前向きになれる絵を届けたい。